「ゆず香る文化の里」福島県楢葉町
同町は、かつて「ゆず栽培の北限地」とされ、福島県浜通りの温暖な気候を活かしてゆずの栽培に取り組み始めました。30年以上前に町内全戸にゆずの苗木を配布し、そこから町民の有志が「ユズ研究会」を立ち上げ、徐々に収穫量を増やしていく中で、ゆずで町おこしを行ってきました。
東日本大震災で一時栽培が出来なくなり、ゆず農家の数も半分以下に減ってしまいましたが、震災から4年後にゆず栽培を再開し、それからゆず酒をはじめとしたゆず加工品の製造も再開され、「ゆず香る文化の里」復活を目指してゆず栽培に取り組んでいます。
当蔵と楢葉町「ユズ研究会」との出会い
以前から季節限定商品を販売したいと考えていたところで、冬が旬である「ゆず」に着目して開発を行い、「ゆず七味みそ」の商品レシピが完成しました。
しかし、当初ゆずの仕入れを予定していた産地から、「裏年」(ゆずはよく収穫できる「表年」とあまり収穫出来ない「裏年」があるとの事)で供給が難しいと連絡があり、今年の製造をあきらめかけていました。しかし、まさにその日の朝刊に「楢葉町のゆずが収穫最盛期」との見出しで震災後もゆず栽培に奮闘している「ユズ研究会」についての記事を目にしました。すぐさま楢葉町役場へ連絡し、「ユズ研究会」の会長である松本様をご紹介頂くことになりました。
松本様に現状を説明し、是非、楢葉町のゆずを使用させて欲しいとお願いしたところ、「なんとかしましょう」と心強いお返事を頂けました。それから再度発売に向けて大急ぎで動き出し、令和4年12月7日、無事に「ゆず七味みそ」を販売開始することが出来ました。
偶然とも言える出会いでしたが、「ユズ研究会」をはじめ、迅速にご対応頂いた楢葉町役場の協力もあって完成した「ゆず七味みそ」。この商品を通じ、同じ福島県の仲間として、微力ながら復興への協力をしていきたいと思っています。
ゆず七味みその楽しみ方
会津味噌をベースに、楢葉町「ユズ研究会」有機栽培ゆずの果皮と果汁をたっぷり使用し、ピリッとした七味唐辛子を効かせた「ゆず七味みそ」。
野菜につけたり、おにぎりの具としてはもちろんのこと、冬の鍋料理やおでん、焼き鳥などにつける「薬味みそ」として召し上がって頂くのがおすすめです。
寒い冬に鍋を囲む風景は日本の風物詩です。その食卓にそっと寄り添える味になれれば幸いです。